旅行積立はお得?ただハワイ3.8%は諸刃の剣。積立前に出口に注意。
将来の旅行のための資金作りとして一部の航空会社や旅行代理店が用意する旅行積立。貯め方だけでなく使い方でも損か得か分かれるのはマイルに似ていると言えます。中でも活用できそうなのがANA旅行積立プランです。
1.金利は定期預金の100倍以上?
旅行積立は「満期額」「一時払いor毎月払い」「積立期間」の3つを決めて積み立てて、最終的にサービス額(≒預金の金利に相当)を上乗せした旅行券で受け取れる仕組みです。
- ANA旅行積立プラン(1年で3%、2年目以降2.25%)
- JAL旅行積立(1年で3%、2年目以降2.25%)
- JTBたびたびバンク(ハワイ積立・クルーズ積立3%)
この3つは年利3%という高利回りで運用できます。定期預金なんて0.01%が普通、証券口座連動等をやっても0.1%がやっとですから30倍~300倍です。
また投資信託や株式とは違い元本割れのリスクもありません。厳密に言えば1年以内の途中解約だけ1000円以下の端数が切り捨てられますがそれでも最大999円。決めた通りに満期を迎えれば良いだけです。
最終的に満期にせよ途中解約にせよ旅行券で払い出されます。現金では戻らないとはいえ、この商品券を旅費に充てられる仕組みです。
2.年3%超のANA旅行積立は美味しすぎる
①満期額は5万円~と少額でも申し込める
最終的に受け取れる金額はJTBの30万円~、JALの10万円~に対してANAでは5万円~と敷居が低いのが特徴です。大人数の旅行でなくても近場でも使いやすい金額です。
②一時払い6ヶ月なら5%
申し込み時一括入金なら6ヶ月で約2.5%(1年当たり5%)、12ヶ月で3%、18ヶ月~60ヶ月で2.25%と高金利です。勿論積立期間が短いほうが払い出しも近いということです。
③ANAカード払いなら支払額分のマイルも
支払は一時払いでも毎月払いでもANAカードを利用することができます。なのでANAカードの種類に応じて0.5~1%分のマイルが貯まります。プレミアムならそれ以上も。全て合わせれば実質4%以上!
3.旅行券は使い方に注意!使えない場合も?
①有効期限は5年
旅行券は発行から5年の有効期限があります。とは言えマイルに比べたら長いし、閑散期しか使えないということもありません。
②原則ANA関係でしか使えない
当たり前ですが他社の航空券やJTBの旅行商品には使えません。少数ながらANA旅行券での支払ができる旅行代理店やホテルもありますが、原則はANAの電話窓口や空港窓口で支払います。
③旅行商品は早期予約が必要
航空券+ホテルのANA旅作やパッケージ型のANAスカイホリデー、ANAハローツアー等旅行商品では幅広く使えます。ウェブからの申し込みもできてお釣りも貰えます。但し旅行券を郵送する関係で出発約28~51日前の予約が必要とか正直不便です。インターネット時代には不便すぎます。
④航空券は空港窓口か郵送でしか支払えない&お釣りが出ない
航空券単独の場合はANA旅行積立プラン専用デスクに電話するか空港窓口でしか支払えません。国際線なら羽田、成田、中部、関空のみです。郵送も国内線で9日前、国際線で14日前と早いです。
受け取るANA旅行券は1000円券10枚と残りは10000円券ですが2015年ルール改定でお釣りは出なくなりました。但し差額を現金ないしカードで支払うことは可能なので端数をそれで支払えば問題ありません。また発券手数料も免除されます。
参考:ANA旅行券の使い方
4.ハワイ3.8%プランを「使い切れる」か?
①「ANAでハワイへ行く」前提なら絶対得
日本~ハワイ州のANA旅行商品かANA便名航空券に用途が限定されますが12ヶ月~24ヶ月で一律年利3.8%と超高利回りです。さらに積立期間中にANAセールスのハワイツアー参加で満期払出額5000円~10000円アップ。リピーターには嬉しいですね。
②他社で割安なプランがあっても使えない
ハワイに行くことを決めていても、ハワイアン航空が安くても、JALが関空発着があっても、JTBに魅力的なツアーがあってもANAでしか買えません。
③満期額は30万円~と高め
ANA旅行積立は満期払出額が5万円~ですがハワイ限定プランでは30万円~と高めです。但し旅行積立としては一般的ですし2~4人程度であればそのくらいの出費になります。
④余ってもまたハワイに行くしかない
例えば30万円分旅行券を貰ってハワイ旅行に25万使った場合、残る5万円分は5年以内に再びハワイ旅行に使うしかありません。察するにリピーター向けの商品だと思われます。
逆の言い方をすればハワイリピーターであればマイルで取れるかどうか分からない特典航空券なんか狙うより、ANA旅行積立ハワイ限定プランのほうがよっぽどおいしいです。
ただ将来的にはインターネットを使った支払いにも対応してくれないかなという期待をしてしまいます。