【タイムズエアポートアクセス】羽田/成田空港アクセスの新しい形。N’EXより便利で定額タクシーより安い!
都心から羽田/成田空港への移動手段は電車やバス等の公共交通か、タクシーを使うかが一般的でしたが、タイムズレンタカーがエアポートアクセスという面白いサービスを始めています。
簡単に言えばレンタカーを使った空港まで/空港からの片道乗り捨てな訳ですが、燃料代や乗り捨て料金等の通常レンタカーでは別料金となる費用をコミコミでパッケージした時間制限付き定額プランと言えます。
ここでは都内~成田空港をメインに比較してみますが、羽田空港も料金が安い以外基本的な仕組みは同じです。
- 料金がコミコミ定額(有料道路除く)
- 都内→成田空港が3時間5981円
- 時間制なので自宅経由や寄り道もOK
- 車種はコンパクトとミニバンの2クラス制
- タイムズクラブかカーシェアの会員登録が必要
- 営業時間内の利用完結が必要で早朝深夜便は不向き
- 成田エクスプレス等電車・バスとの比較
- 自家用車+空港駐車場との比較
- 定額タクシーやUberBLACKとの比較
- 複数人&荷物あり&運転できるなら最高の選択肢
1.料金がコミコミ定額(有料道路除く)
一般にレンタカーを利用する場合は利用料金のほかにも状況によって様々な費用が発生します。
①燃料代
返却時に燃料を満タンにするか、そうでない場合燃料相当額を差額徴収されるレンタカー会社がほとんどです。返却時にガソリンスタンドのレシートを提示するケースもあります。
②保険料
対人対物事故に関しては補償がありますが、運転者や同乗者の負傷や事故車両の修理費および営業不能損失(ノンオペレーションチャージ)は契約者負担となります。これを回避するための補償プランをオプションで用意していることが多いです。
③乗り捨て料金(ワンウェイ料金)
借りた場所とは異なる営業所への返却を希望する場合乗り捨てと呼ばれます。タイムズレンタカーではワンウェイ料金と呼んでいるようです。
④高速/有料道路通行料金
運転中に高速道路や有料道路を通過する場合、自家用車と同じく通行料金を支払います。当然ETC車載機は付いているのでETCカードを用意すれば利用できます。
ところがこの「タイムズエアポートアクセス」では上記①~③の料金は含めた3時間までの定額制。空港~返却営業所/出発営業所~空港までの直線距離や実際の走行距離、経由地にかかわらず定額です。
返却までに3時間を越えた場合と高速道路料金だけは別途必要になります。確かに都心から羽田にせよ成田にせよ空港まで高速道路を使うケースが多いのですが、返却時の精算手続きが無くなればかなりスムーズです。
2.都内→成田空港が3時間5981円
東京都、神奈川県、千葉県の営業所から羽田空港と成田空港への利用ができます。逆方向も基本的に可能ですが、ごく一部空港行きの片方向のみに限られる営業所もあります。
都内にも対応営業所は多数あり、都心で首都高ランプ近くで鉄道アクセスも良く、住宅街からも近い中野、笹塚、新小岩、北千住、池袋(駅からやや遠い)あたりは利用価値が高そうです。近隣の中野区、杉並区、渋谷区、世田谷区北部、江戸川区北部、葛飾区、豊島区、板橋区、練馬区東部なら電車や路線バスを駆使して利用しやすい立地です。
多摩地域でも府中と立川、料金はかさむものの八王子にもあります。
3.時間制なので自宅経由や寄り道もOK
個人的に一番のメリットがこれ。決まっているのは時間だけで経路は自由です。例えば下高井戸に住む人が京王線で笹塚に行き車を借りて、一旦自宅に戻り同行者と荷物を載せた後で、高井戸ランプから首都高に入って成田空港に向かうこともできます。こうなれば半分ドアツードアです。
勿論全車にカーナビとETCがあるので高速のルートも指示に従うだけ。到着時間もだいたい読めます。最近リニューアルが進む京葉道市川PAや幕張PAで食事や買い物を楽しむこともできます。
空港までは3時間定額ですが、1時間プラス500円(ミニバンは1000円)で利用時間を事前に延長することもできます。
4.車種はコンパクトとミニバンの2クラス制
エアポートアクセスで利用できる車種はコンパクトとミニバンの2クラス制で具体的な車種は選べません。
コンパクトクラスに該当する車だと海外旅行の大荷物を考慮すると2人か3人での利用がギリ。3人で高速料金込みで8700円だとすると1人当たり2900円と成田エクスプレスより割安です。
ミニバンクラスでの対象はマツダプレマシーのみのようで、荷物込みでの定員は4人ほど。これも高速代込みで10700円くらいなので4人なら1人当たり2650円で済みます。
5.タイムズクラブかカーシェアの会員登録が必要
このエアポートアクセスの利用にはタイムズクラブ会員もしくはタイムズカーシェア会員である必要があります。前者は年会費不要です。
予約も公式ウェブサイト限定です。
6.営業時間内の利用完結が必要で早朝深夜便は不向き
数々のメリットを説明してきましたがデメリットもあります。一番分かりやすいのがほとんどの営業所が8時~20時の営業時間なので、この時間内に受付から返却までが完結しないと利用はできません。そして空港店到着は国際線出発3時間前、国内線出発90分前返却を目安としています。
したがって成田空港を午前中出発する便では利用できません。逆に言えば夕方以降に出発する北米、ハワイ、中東方面へのフライトなら荷物も多いことや電車が帰宅ラッシュと重なることもあり利用価値は高いと言えます。
一方で帰国後に自宅までの利用となれば午前中に到着するアジア・ヨーロッパ路線なら時差ボケ調整も含め余裕、昼過ぎに着く北米路線も流れ作業的になら利用可能。
したがってアメリカ、カナダ、ハワイ線なら往復利用可能、ヨーロッパ線は帰国時のみ、中東線は出発時のみ、韓国や台湾など近場で現地を満喫するなら不向きと言えそうです。
7.成田エクスプレス等電車・バスとの比較
成田空港までのアクセスで一般的なのが電車やバスです。都内各地から成田空港までを片道1000~4000円程度、40分~90分程度で結びます。これらに比べタイムズエアポートアクセスのメリットはいくつかあります。
- ○大きな駅での乗換えが不要
- ○大きな荷物の場合に有利
- ○自宅からの直接アクセスも可能
- ○駅やバス停での待ち時間なし
- ○移動中もプライベート空間になる
- ○1人でも2人でも同額
特に大きな荷物を持って混雑するターミナル駅を回る必要がないのは大きなアドバンテージです。一方で公共交通のほうが有利なケースもあります。
- ×自分で運転する必要がある
- ×自分でルートを計算する必要がある(ナビはあるけど)
- ×事前に予約する必要がある/満車リスクがある
- ×連休初日朝や最終日夜の渋滞リスクがある
- ×空港店からターミナルまでは送迎される(約20分)
- ×到着便の遅延/早着の場合は予約変更/取消する必要あり
- ×片道7000円程度と1人利用では高い
- ×荷物が多いと大人数利用は難しい
予約からルートの選定、所要時間の計算が大まかにでもできないと利用は難しいです。ただこの辺はグーグルマップやNEXCO東日本のドラぷら等で当日の渋滞予測等も加味したルート検索ができます。
また空港側でもチェックイン・返却手続きが必要であり、空港ターミナルから営業所までも送迎もしくは配車で20分程の時間が掛かります。
8.自家用車+空港駐車場との比較
自家用車を使って空港へ行くケースもあると思います。空港駐車場を利用する場合に比べてタイムズエアポートアクセスもメリット・デメリットがあります。
- ○往路も復路も定額
- ○旅行期間問わず片道7000円程度と安い
- ○片道のみの利用も可能
- ×事前予約が必須で満車リスクあり
- ×営業時間により利用できない時間あり
一方で自家用車を空港近隣駐車場に留め置くほうにもメリットとデメリットがあります。
- ○慣れた自分の車を使える
- ○居住地問わず自宅から直行/直帰できる
- ○成田周辺は駐車場が多く満車リスクも小さい
- ○帰国までに洗車してもらえる場所も
- ×距離に応じて燃料代や高速代が掛かる
- ×さらに滞在日数に応じて駐車場代がかかる
- ×自家用車保有が前提
タイムズエアポートアクセス対応営業所の無い地域(埼玉県や町田・相模原地域など)からの出発の場合有利ですが、1日500~1000円程度の料金が日数分課されますので、長期滞在ほど不利になります。
最後のマイカー保有ってそもそも初期費用=車両購入費も基本料金=維持費用も膨大なので、コスト面で圧倒的不利です。
参照:マイカーを捨ててカーシェアリングにしてわかったメリット。固定費97%カットで憧れの車に乗る。
9.定額タクシーやUberBLACKとの比較
空港と都心の任意の場所まで直接ドアツードアで結ぶ手段と言えば、定額タクシーがあります。一般的なメーター制のタクシーと異なり目的地までの料金が決まっています。
これは日本交通ウェブサイトによる料金表ですが、kmタクシーや日の丸交通等が一般旅客自動車運送事業の公定幅運賃として定められています。東京23区と武蔵野市、三鷹市の住所が対象です。この定額タクシーにもタイムズエアポートアクセスに比べメリットとデメリットがあります。
- ○24時間いつでも利用可能
- ○都心発1時間前まで、空港発3時間前まで予約
- ○一般的なタクシー車両含め車両数豊富
- ○自分で運転する必要なし
- △高速/有料道路料金は別途請求
- ×対象エリア以外は通常のメーター制料金
- ×途中寄り道は通常のメーター制料金
- ×定額とはいえ高額
厳密には定額と言いながらも高速/有料道路料金が別途請求されるので上表の金額だけで乗れるわけではありません。自分で運転しなくて良いのは楽ですが、片道2万円は高額です。
配車アプリUberが始めた成田空港~23区定額サービスUberBLACKでは27000円定額です。こちらは定額タクシーとは異なり深夜割増も高速料金も含まれています。
10.複数人&荷物あり&運転できるなら最高の選択肢
成田空港は都心から離れている上に公共交通も正直貧弱なので、待ち時間や混雑した大きな駅での乗換えは面倒なものです。
価格面や予約手続が無いことを考えると2地点間ピストンに特化した1000円前後のバス東京シャトル、THEアクセス成田等、あるいは名前負けした感じがあっても意外に頼れる京成本線特急に軍配が上がります。
参照:成田空港からのアクセスに迷ったなら京成本線特急が万能という説。
それを考えると中途半端なのが3000円以上の運賃を取るくせに運行本数も少なくて発券手続きが必要な多くのリムジンバスや成田エクスプレス。利便性向上策はあるはずですが現状ではデメリットばかりが目立ってしまいます。
参照:これでいいのか成田エクスプレス…本数無さすぎ、料金高すぎ、自由席なし。本当は満員になるくらい乗せるべき。
どうせ3000円以上払うなら時間がだいたい読めて、ターミナル駅の混雑も大荷物での階段昇降も避けられるタイムズエアポートアクセス。良い選択肢だと思います。