定期券や指定席特急券を自動券売機で買うとプレゼント。JRはやっぱり窓口販売を減らしたい?
首都圏のJR駅では定期券や長距離列車きっぷを窓口だけでなく券売機でも購入できる駅が多いです。最近は一部の駅・期間で自動券売機で購入した場合にプレゼントが貰えるケースが出てきました。
- 主に3月と9月の窓口混雑期に行われる
- ウェブサイト等での案内は無く駅が独自に行う模様
- 売店商品やオリジナルグッズが貰える
- 窓口でも券売機でも値段は同じだが…
- プレゼントは結局窓口で引き換えだが…
- 目的は「お得」より「習慣化」その先にあるもの
1.主に3月と9月の窓口混雑期に行われる

池袋駅のケースでは自動券売機で定期券を購入すると先着1000名に松風庵かねすえのわらびもちが貰えるというもの。通路の反対側に店がある。
新年度に備えて定期券が売れるピークはやっぱり3月4月。そして最長の6ヶ月定期でも更新が必要な9月末は、3月末ほどではないものの定期券の買い替え需要が多いようです。
この定期券組に加えて、新幹線等の長距離きっぷに関しても春休みの3月、GWを控えた4月、さらにお盆や正月の前も窓口混雑期にあたります。
2.ウェブサイト等での案内は無く駅が独自に行う模様
こういったプレゼントつきのキャンペーンは全ての駅が実施しているわけではなく、また時期も決まっていないようです。また対象商品も定期券だったり指定席特急券だったり様々です。
さらにJR東日本の公式ウェブサイト(各支社やsuica、えきねっと等含め)や書店で販売される全国時刻表にも記載がありません。各駅が独自に行っているようで広告を見かけたらチャンス!、という良い意味でゲリラ的キャンペーンです。
3.売店商品やオリジナルグッズが貰える

赤羽駅の場合は回数券やフリーパスが対象の模様。これらが自動券売機で買えることを知らない人も多いかもしれない。
景品も様々なようで近隣店舗の商品引換券だったりオリジナルグッズだったりします。景品の在庫確保やテナント店舗との契約等を考慮して決めているのでしょうか?
とは言え券売機から出てくるのはきっぷ・定期券と領収証だけで、景品に換えるにはそれを持って結局窓口へ行く必要があります。
4.窓口でも券売機でも値段は同じだが…
結局きっぷ・定期券は窓口で買っても自動券売機で買っても値段は同じです。そして自動券売機で買えるものはほぼ全て窓口で購入できます。
ほぼ全てと言うように例外は普通回数券(JR東日本では指定席券売機のみでの発売になった)やえきねっと限定商品に限られます。
一方で学生割引や株主優待、JR他社線や私鉄へ直通する一部列車の指定席等、窓口でしか購入できないきっぷも多数あるのも事実です。いずれも販売数や頻度が少なく、「慣れてないからとりあえずみどりの窓口へ行こう」という利用者は少なくないはずです。
ちなみにPeachやジェットスタージャパン等の格安航空会社や、欧州の一部長距離鉄道会社では同じきっぷでも窓口で購入すると発券手数料を上乗せするケースがあります。鉄道以外でも銀行振込みが窓口よりATMの手数料を優遇するなど利用者に金銭的メリット/デメリットを与えることで機械化、省力化を進める傾向にあります。
5.目的は「お得」より「習慣化」その先にあるもの
結論をまとめると利用者視点では、
- みどりの窓口ならどんなきっぷ・定期券も買える
- 定期券や指定席は対応する券売機が限られる
- 定期券や指定席が券売機で買えること自体知られていない
- suica普及でそもそも券売機の操作に慣れていない
- 窓口なら疑問点をその場で質問できる
といった具合に現状では自動券売機を使うメリットが見当たらないのです。ただ、それゆえに窓口が混雑する一方券売機はスカスカという現象は良くありますし、係員が券売機に誘導する姿も見られます。
ATMやLCCのように窓口で割高な手数料を取って金銭面で券売機優遇する手もありますが、鉄道運賃は監督官庁の認可のもとで制定される性質上、「定価」が原則であり窓口手数料を取るのも難しそうです。郊外の駅なら空いてる、夜なら空いてるというように手数料の公平性・合理性・一律性があるかも疑問です。現状ではささやかなプレゼントが精一杯と考えられます。
一方定期券は頻度こそ少ないものの何度か継続的に買う可能性が高く、新幹線等の遠距離きっぷも出張や帰省など、これも頻度の差はあれど毎年繰り返し利用する可能性が高いです。
したがって長期的な視点で見れば利用者が自動券売機に慣れることで、やがては窓口の混雑解消や人員削減に繋がる可能性はあると言えます。勿論並行して現状窓口でしか買えないきっぷの券売機対応やユーザーインターフェースの改善などソフトウェアでの改善も将来的には期待されます。