新幹線eチケットVSタッチでGO!新幹線。たった200円引きでも普及度の壁の突破口になるか?
2018年4月1日より関東エリアの東北/上越/北陸新幹線でタッチでGO!新幹線サービスが始まりました。新幹線は既にモバイルsuicaやsuica定期券で利用できたのですが、利用者が限られていたのが難点でした。これで誰でも事前にきっぷを購入する必要が無くなるのですが・・・
1.結論:メリットは小さい
最初に結論を言ってしまうとカード式のsuica等ではメリットといえる点はありません。
かろうじて言えそうなのはカード式のsuica等は首都圏ではかなり普及しており、初回のみ券売機で利用登録が必要になるだけなので、利用開始のハードルが低いことにあります。これを済ませれば窓口や券売機できっぷを購入せずに新幹線に乗れることになります。
もう一つ言えばデメリットが存在しないこともあります。利用に年会費は掛からないし定期券と違い利用頻度の低い人にも門戸は開かれています。東海道山陽新幹線のスマートEXと違い、クレジットカードの登録も事前の購入手続きも不要です。
モバイルsuicaは端末環境がネックでしたが2020年にえきねっと予約でカード式含めたSuica等でデータをインストールするきっぷ不発行型サービス新幹線eチケットに統合されました。
参照:新幹線eチケットはネット予約→Suicaインストールで2020年代のスタンダードに。やっと新幹線が時代に追いつく!
参照:モバイルsuica使うならビックカメラsuicaカード。関西住まいでも鉄オタじゃなくてもメリットしかない
2.PASMOもICOCAも使える
タッチでGO!新幹線はsuicaに限らずkitaca、PASMO、TOICA、manaca、ICOCA、PiTaPa、nimoca、はやかけんも登録できます。首都圏でsuicaと並んで利用者の多いPASMOが登録できるので、普及のハードルが低いのは確かです。
ただこれは指定席で割引制度もある新幹線eチケットと同じです。
3.残高が4000円以上必要?
ただ疑問が残る点はいくつかあって新幹線自体料金が高いこと。隣の駅まででも1000円以上、東京~宇都宮/高崎だと4000円以上掛かります。
新幹線の改札ではオートチャージも対応していないので、それだけの金額を事前にチャージしておく必要があります。乗る前に確認・チャージするなら結局きっぷを買うのと同等の手間がかかるので、手軽とは言いがたいです。
参照:suica/PASMO出場時もオートチャージ対応で気をつけたいこと。手動チャージが理想的?
4.対象区間が微妙でも那須塩原の良心
対象区間は東京~那須塩原/上毛高原/安中榛名と関東近県に限られます。観光需要の多い越後湯沢と軽井沢が外されている一方、那須塩原は含まれているようです。
また新幹線にははやぶさ号やかがやき号等エリア外まで止まらない列車も多数あるので停車駅を確認する必要があります。指定席検索のあるえきねっとやスマートEXでは購入段階で通過列車は検索されないため、むしろ購入という手続きがあったほうが親切とも考えられます。
5.窓口券売機の混雑緩和は進む?
これまでICカード式乗車システムが導入された鉄道路線ではきっぷの購入手続きが不要になり券売機の混雑緩和やスペースの有効活用、乗り換えの簡略化が進んできましたが、今回の新幹線でもそうなるかというと、これも疑問符が付きます。
通勤路線と違い多くの乗客は新幹線の利用頻度が低く、地方へ行けばsuica自体の普及率も低いです。
また新幹線の改札内にもsuica用精算機を設置するようですがその台数は少なく、既に十分な金額を確認の上利用する旨の注意書きがあります。
6.将来指定席料金は廃止される?
ただこれとは別に気になるのが将来的には指定席も利用できる予定とのこと。2020年現在では新幹線eチケットがその役割を果たしていると言えそうです。
予約が取れれば確実に座れる飛行機や高速バスをライバルとして捉えたのか、JR東日本は2002年から新幹線の速達便を全席指定席としていて、自由席用と指定席用があった特急回数券も指定席用に統一を進めてきました。またモバイルsuicaは2006年の導入当初から自由席と指定席を同一価格としています。
更に2010年代になると中央線や常磐線の特急列車で指定席と自由席の車両区分も料金区分を廃止し、予約のない席を自由席とする様に制度を改めています。
一方で中央線特急かいじ号や常磐線特急ときわ号が全席指定席化しつつある一方で、新幹線では朝晩に運転される近距離のなすの号たにがわ号は逆に指定席を廃止して普通車全席自由席としているあたり、どう変わるかも疑問です。この区間は新幹線定期券も発売されており自由席のニーズが多いようです。
結論としては事前登録が必要なことや高額なチャージ残高が必要なこと、利用エリアが首都圏近郊に限られること、割引が僅かであることから遠距離通勤者がたまにワープするのに使う程度にとどまるのではないかと推測されます。
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