キャッシュレス消費者還元事業でSuicaは翌月JRE POINT付与。それとは別に駅ナカでJRE POINT還元率アップも。
消費税増税にあわせて経済産業省が主導する「キャッシュレス・消費者還元事業」では利用額の2~5%を政府が負担する仕組みです。多くは後日返金もしくは差し引いて請求する方式ですが、SuicaではJRE POINTで還元する仕組みのようです。
- 利用額の2~5%を政府が負担する仕組み
- Suicaは要注意!別途JRE POINTの登録が必要
- 例えば1000円チャージしたら残高が1020円増えるわけではない
- 多くの事業者がキャッシュバックだがSuicaはJRE POINTで還元される
- 政府主導事業とは別に駅ナカでもJRE POINT還元率アップ
- 「安く抑える」よりJRE POINTで旅行資金を稼げる
1.利用額の2~5%を政府が負担する仕組み

キャッシュレス消費者還元事業対象店にはこのマークが貼られる。
キャッシュレス・消費者還元事業とは経済産業省が主導する中小規模小売店等の対象店でクレジットカードや電子マネー等の決済方法を利用することでポイント還元が得られる政策で、2019年10月から2020年6月までの期間を予定しています。
このうち中小事業者では5%、大手小売飲食店のチェーン店(フランチャイズ方式の場合)では2%を還元することになっており、対象店舗とその還元率は上記サイトの一覧に載っていますが、全国の中小店舗を含むので膨大な数です。
例えば中小規模の店舗を中心に開拓してきたバーコード決済PayPayは5%還元の店舗も多そうですが、逆にSuicaは駅ナカを中心に開拓してきたので5%還元の店舗は少ないと思います。しかし2%還元となる外食小売のメガチェーンではSuicaを導入する事業者は数多くあります。直営か中小フランチャイズかの見極めが難しい点はありますが…
2.Suicaは要注意!別途JRE POINTの登録が必要
この対象決済手段としてSuicaも指定されていますが、クレジットカードやデビットカード、バーコード決済とは異なりSuicaはただ支払っているだけでは還元は受けられません。別途JRE POINTへ入会しカード裏面記載のSuica ID番号を登録する必要があります。
また登録できるSuicaはJRE POINTと同じ個人情報が登録されていることが必須となるため無記名のものは利用できません。
- 定期券一体型→○
- ビューカード→○(2018年以降は入会時自動登録)
- モバイルSuica→○
- 券売機等で購入したSuica→下部にカナ氏名が入っていれば○
- 記念Suica→×不可
- Mizuho Suica→×不可
3.例えば1000円チャージしたら残高が1020円増えるわけではない
なぜ別途JRE POINT登録が必要なのかというと、プリペイド式電子マネーの先駆けだったSuicaは当初ポイントサービスを想定していなかったことからユーザーを特定して返金することが不可能という事情があります。
1000円チャージで1020円残高が増えるという仕組みにしてもそれがどういった支払いをされるかが不確定なので、仕方なく別途ポイント制度を使う羽目になったと言えそうです。だとしてもJRの小売事業強化の流れと政府のキャッシュレス決済促進が偶然にもシンクロした結果です。
このJRE POINTはSuicaにチャージができる以外にも様々な商品に交換できるもので、つい最近になって新幹線等の特典チケットも予定される等使いみちの拡大も期待できます。
参照:JRE POINTが遂に陸のマイルに。乗車でもポイントを貯めて特典乗車券でグランクラスに?
4.多くの事業者がキャッシュバックだがSuicaはJRE POINTで還元される
このキャッシュレス消費者還元事業では多くの場合、文字通り返金によって還元されます。デビットカードは後日引き戻しされ、WAON等の電子マネーも残高に戻される形式が多いです。
クレジットカードも多くの会社が還元分を差し引いた額を請求するとしています。ビューカードもその方針ですが、ビューカードでのSuicaチャージは当然「対象店舗」ではないのでチャージそのものの割引もありません。この点については以下のサイトに詳しいです。
参考:キャッシュレス・消費者還元事業のポイント制度を理解するー現金いらず
そしてSuicaの場合は前記のような経緯からJRE POINTとして翌月下旬にポイントバックする方針です。
5.政府主導事業とは別に駅ナカでもJRE POINT還元率アップ

駅ナカの対象店舗でポイントアップする。黄色のJRE POINT優待店は2%に、JRE CARD優待店も5.5%に。
この政府主導事業とは別にWAON等大手流通も独自にポイントアップを行う等「自主的なキャッシュレス促進」に進む企業も出てきました。そしてJR東日本も駅ナカやJRE MALLでJRE POINT還元アップに踏み切るようです。
公式プレス:https://www.jreast.co.jp/press/2019/20190903_ho02.pdf
黄色いJRE POINT加盟店と緑色のJRE CARD優待店の区別とSuica決済かクレジット決済かの区別が相変わらず難しいですが緑色の店舗でもSuica決済はできるのでSuicaを使えば間違いないかと思います。
あ、JRE CARDは増税後もSuicaチャージ&駅ナカ購入用カードとして有望な1枚です。
参照:JRE CARDを半年使ってみた。駅ナカで特に効果絶大、毎月利用で年会費以上の還元あります。
6.「安く抑える」よりJRE POINTで旅行資金を稼げる
消費税増税による事実上の官製インフレの反動で消費は冷え込むというのが従来の考え方であり実際過去にもそうなっています。
ただキャッシュレス・消費者還元事業には文字通り消費者と事業者双方を含めたキャッシュレス決済促進の意味があり、残高還元やポイント付与はむしろ次の消費行動の契機になりますから再現性の高い政策だと考えられます。
折しも時期を同じくしてJRE POINTは新幹線の特典チケットなど高額な旅行商品への交換も計画されているようで、キャッシュレス決済でポイントを貯める手段としてSuica+JRE POINTは将来有望株かと思います。