LCCのサービスは悪い?むしろ課金兵が少ない分オイシイという考え方も。
先日の記事で触れたLCCいわゆる格安航空会社。自分の周囲でも初心者や年配の旅行好きにはどうも好まれないようですが、個人的には悪くないと思っています。
1.「いらない」という選択
一般にLCCでは座席指定や受託手荷物、機内食が有料です。ただ出張族とか座席にこだわりがないという人もいるだろうし、旅慣れた場所ほど持っていくものは少ないし、1時間なら飲み物も食事もわざわざ訊かれない方がいい、という考え方も出来ます。必要がないなら貰わないほうが早いというのは合理的な考え方だと思います。
例えば羽田~伊丹のJAL/ANA国内線だと30分もない巡航時間に400人に飲み物を聞いて配っています。なかには要らないと言う人もいるようですが渋々貰う人もいるでしょう。で、貰った以上飲むことになるし最後片付けることになる、と。そのうちトイレにも行きたくなるけどそういう時には皆並んでいたりして。で、通路で飲み物のカートと鉢合わせしたりして。
2.座席の広さはそんなに違うのか
LCCは座席が狭い、とはよく言われますが実は大差ないです。日本のLCCの多くが使うのはエアバスA320、航続距離は5000km以上で世界的に見れば2~4時間程度の国際線では一般的に使われています。これをLCCだと29インチ(≒74cm)間隔で180席、ANAは31インチ(≒79cm)間隔で166席とそこまで極端ではありません。足元の広さを謳う大手航空会社の長距離国際線プレミアムエコノミークラスでやっと38インチ(≒97cm)です。飛行機の座席は基本的に狭いと割り切るしかなさそうです。
例外的に広いのは非常口席。上写真(ジェットスタージャパン機)のように脚を動かせないか脚が組めるかくらい違ってきます。但し荷物が下に置けない、リクライニングが出来ない等という別の問題もあります。航空会社や路線にもよりますが1000~2500円くらいの指定料金が掛かります。
3.国内線でも選べる機内食
国内線ではJALのファーストクラスやANAのプレミアムクラスを除くと機内食はありません。ただLCCの場合国内線でも「一応」用意しています。一応、というのはやっぱり物の割りに値段が高いのとジェットスタージャパンのようにホットミールは予約制だったり、便利とはいえないです。駅弁やお祭の露天のような記念品として買う選択肢はアリだと思います。
4.航空券だけでない「セール」
LCCといえば航空券のセールを頻繁にしているのですが、ピーチやバニラエアの場合稀に機内食も突発的に3割引セールをします。対象はホットミールやサンドイッチ等のみで飲み物やスナック等日持ちのするものは対象外です。どの便がなるかは不明ですがスケジュール的に夜の便が狙い目なのは確かです。
バニラエアの千歳発成田行き最終便で出会ったカツサンド(650円→470円)。もう一品はチキンライスだったのですが、もう廃棄になるからなのか全部スチームオーブンに投入し「熱々ですぐお召し上がりいただけます、いかがでしょうか~」なんて良い匂い出して売りに回るとか、夜のスーパーみたいな光景が機内で繰り広げられます。
エアアジアやジェットスター等は予約制が基本なのに対し、ピーチやバニラエアは機内食の予約は受け付けていないのでロス対策として行っているようです。正直成田も千歳も空港内に美味しいレストランは数多いのですが、混雑していることもありますし、繰り返すようにエンターテインメントとしてはアリだと思います。
5.少数派という優遇
時間帯にもよるのかもしれませんが国内線でも国際線でも機内で飲み物や食事を注文している人は少数です。ゆえに大手航空会社の国際線と比べてすぐ回ってきます。事前予約が出来る航空会社の場合席に着くと「○○様こんにちは。離陸後に予約した食事持って行きます」とCAから挨拶されたり、一般販売よりも先に、それも安い値段で買えます。
で、到着前にはちゃんとごみを回収しに来てくれます。空港での折り返し作業時間短縮が目的なのですが、注文する乗客が少ないので結構丁寧に回ってくれることが多いです。
必要な乗客だけが購入するので流れ作業的な大手航空会社とは随分と違います。また販売促進のために多くのLCCが公式ウェブサイトで機内食メニューを公開していますから、買うか否かは別として乗る前から楽しめるという見方もできます。