株主優待は盆正月の帰省に本領発揮。ヤフオクでも投資物件としても優秀。
年末年始やGW、そしてお盆休みに旅行したい人が苦労するのが飛行機や列車など交通費が高くなること。需要が増えるのだから当然なのですがそこで使えるのが交通事業者の株主優待です。ヤフオク!や金券屋でも取引されているので売るにも買うにも美味しいと思います。
1.「円引き」ではなく「%引き」だから旨い
とにかくこの一言に尽きます。株主優待と言えば小売業や通信業などを中心に多くの銘柄で1000円分等の金額表示です。当たり前ですが1000円分の優待券は1000円の商品分の価値しかありません。
ところが運輸業の株主優待は%引きといった割引表示が多いです。これは同じ優待券1枚でも使い方によって1000円安くなるのか5000円安くなるのか変わってきます。もっと言えば高額な利用(航空券や鉄道運賃)であるほど優遇が大きいということです。
2.繁忙期に無くなる「早割」と「回数券」
運輸業の株主優待が優れているもうひとつの理由が繁忙期には他の割引運賃が無くなる点です。株主優待は有効期限こそあるものの利用ができない日はありません。
航空会社は早期予約割引を充実させていますが、12月30日の東京発や1月3日の東京着といった超繁忙期は早割りを設定しないか、他の日よりかなり高額に設定されています。膨大な需要が明らかな時に安売りなんぞしません。世知辛いですがね。
JRの場合早期予約割引はほぼ新幹線に限られます。JR東日本はえきねっとでの「お先にトクだ値」30-35%割引を12月29-31日の下り便と1月2-4日の上り便に設定しないことを発表しています。そうでなくても3連休にお先にトクだ値がヒットすることは少ないです。列車限定、席数限定といっていますし。
またJR各社に共通していますが新幹線/特急列車の回数券や週末パスなどは12月28-1月6日、4月27-5月6日、8月11-20日には利用できないルールになっています。この除外日は毎年同じ日程が曜日に関わらず設定されています。
3.航空会社の場合驚きの半額
日本航空<9201>、ANAホールディングス<9202>、スターフライヤー<9206>の株主優待では普通運賃の半額です。ただ普通運賃自体が高額で他に事前購入割引が充実しているので、株主優待を使わずとも半額あるいはそれ以下の割引も珍しくはありません。しかしこれが繁忙期となると「先得」「旅割」といった大幅な割引は期待できないので、株主優待が席数でも安さでも有利です。
また早期予約割引は空席が多い便ほど安いので連休初日の羽田発だと同じ路線でも午前中は高く、午後は安い傾向にありますが、株主優待は時間曜日問わず同じ価格です。また早期予約割引は便の変更ができないのに対し、株主優待は空席ある限り何度でも変更可能です。この点も株主優待が有利です。
但し最近になってごく一部のピーク便に限って株主優待運賃での搭乗者数を制限するようになりました。利用できないわけではないですが既に一定数の予約を受けると普通運賃でしか購入できなくなるようです。
4.JRは「自社のみ」だが安い
一方の鉄道株は会社によりルールが違うので注意。共通して言えるのが株主優待によるきっぷが自社線内のみ有効、販売も自社窓口のみという地域による制限が大きいのも注意です。航空会社に近いのがJR西日本<9021>とJR九州<9142>で片道運賃&特急料金が50%割引と美味しいです。優待券1枚で1人片道使用できます。
JR東日本<9020>の場合、優待券1枚で1人片道運賃&料金という点は近いのですが1枚で20%割引、2枚で40%割引と2枚まで同時利用できる点が異なります。
JR東海<9022>の場合、優待券1枚で10%割引、2枚で20%割引と正直渋いです。
私鉄の場合東武鉄道<9001>や近鉄グループホールディングス<9041>等が優待乗車券を発行しており、きっぷを買うことなくこれ1枚で自社線に1回どこまでも乗れる優れものです。浅草~東武日光や難波~名古屋といった長距離で本領発揮です。但しJRと違い特急料金は別途支払う必要があります。
5.株高なのに優待券は下落?
2016年12月~2017年12月の1年間を見ても航空/JR各社の株式は概ね10~15%値上がりしており株高傾向は止まりません。一方優待券はというとLCCの波及やピーク便の席数制限の影響なのか値下がり傾向にあるようです。そもそも優待券は翌年5月末もしくは11月末に有効期限があり、期限切れ直前なら安値傾向、逆に繁忙期前の12月や7月は高値傾向にあります。
参考までにJAL/ANAの株主優待券はヤフオク!や繁華街の金券屋で1枚3000~4500円程度。メルカリ等のフリマアプリはユーザーの認知度の問題か取り引数が少なく大型商業施設内の金券屋は売価高値傾向にあります。
6.投資物件としても優秀?
航空/JR各社株式は投資物件としても優秀だと思います。海外からの観光需要増加や景気上昇による通勤・出張需要増加が影響していることは間違いなさそうです。株価も上昇傾向、配当金も増配傾向、そして優待券も年2回(一部年1回)もらえて使い方次第でお得に旅行できたり高値で売れたりします。
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