ANA国際線特典航空券初心者向け解説。現実的に狙えるのは香港?
以前マイルを利用したANA国内線特典航空券の話をしたので国際線の記事を。国際線の場合は必要マイル数が多い上にルールが複雑なので中上級者向けなのですが、特典航空券ならではのメリットもあるので悪くない選択です。
- 国際線特典航空券は3種類
- 特典航空券の限定数はごく僅か
- 特典航空券は完全無料ではない
- 特典航空券ならビジネスクラスが美味しい
- 特典航空券なら変更自由。ただし・・・
- 上海や香港は関空経由への変更もOK
- 往復別クラスという手も
1.国際線特典航空券は3種類
ANAマイルを使った国際線特典航空券には必要マイル数の計算方法や検索方法によって以下の3種類があります。
- 全旅程をANA便だけで組むANA特典航空券
- ANA含むスターアライアンス加盟社の1社以上で組むスターアライアンス特典航空券
- 提携他社特典航空券(フィリピン航空やベトナム航空等スターアライアンス未加盟社1社だけで組む)
ここで説明したいのはANA特典航空券です。必要マイル数が他の2つより少なく、ルールも比較的簡単で、さらに元々一般的な航空券価格が他社より高い傾向にある分お得感も大きいというのが理由です。
提携他社の場合乗継ぎになるケースが考えられるのに対し、ANA特典航空券は国外での乗り継ぎは発生しません。単純に往復か、発着地の異なるオープンジョーになります。スターアライアンス特典航空券では国内外での遠回りな乗継ぎ/ストップオーバーもできますが、ここではわかりやすくするため割愛します。
2.特典航空券の限定数はごく僅か
注意したいのは特典航空券の限定数はごく僅かということ。国内線に比べて国際線は同一区間の便数が少ないので、日程や目的地が固定してしまうと空席は期待できないのが現実です。特にホノルル線は入手困難すぎて逆に有名です。
さすがに単価の高い国際線を実質無料で乗せてしまうのは航空会社としても負担なのは確かで、かといって全く取れないようではマイルプログラムの価値も下がるわけでこの辺は各社とも工夫を凝らしているようです。
3.特典航空券は完全無料ではない
さらに困ったことに国際線特典航空券では運賃部分のみが有効で、燃油サーチャージや空港諸税は別途必要です。特典航空券発券時にクレジットカード引き落としになります。
但し燃油サーチャージはマイルプログラムや航空会社によっては不要です。上記のスターアライアンス特典航空券ではニュージーランド航空やスカンジナビア航空は燃油サーチャージを定めていませんが、ホノルル線以上に空席が見つかりません。
4.特典航空券ならビジネスクラスが美味しい
このようにハードルの高い特典航空券ですが美味しい部分もあります。必要マイル数がビジネスクラスがエコノミークラスの約2倍、ファーストクラスがエコノミークラスのたった3倍で済むのです。一般にビジネスクラス航空券はエコノミーの3~5倍、ファーストは割引がない分エコノミーの10倍以上が相場なのを考えると割安としか言えません。
また往路エコノミー、復路ビジネスという選択も空席によっては可能で、必要マイル数はエコノミー数+ビジネス数を2で割った数です。
ただファーストは設定便が少ない(欧米線の一部と成田~バンコク線に不定期で入る程度)そして必要マイル数も多いことから、狙うならビジネスクラスが現実的です。上の表を見ると発着地が日本であるようにANA国内線(エア・ドゥ、スターフライヤー、ソラシドエア、オリエンタルブリッジ運行便含む)を組み合わせても必要マイル数は一緒です。
狙いやすい路線は東京~香港。冬季は1日4便もあるので日程を絞っても取りやすいです。エコノミーで3~5万程度が2万マイル、ビジネスで12~15万程度が4万マイルで取れるので単価的にも美味しいです。
続いて羽田・成田と1日2便運航するジャカルタとクアラルンプール、1日1便ながら観光イメージの薄いヤンゴン、デリー、ムンバイ等も狙いやすいです。どの都市も上表ではアジア2(ZONE4)に含まれます。
5.特典航空券なら変更自由。ただし・・・
便数の多さはほぼ空席の見つけやすさに通じるわけですが特典航空券にはもうひとつメリットがあって、発券(最初の予約完了日)から1年までなら変更が無手数料でできるということ。国内線特典と同じですね。
格安チケットは多くの場合旅程の変更はできないか高額の手数料が掛かることが多いのですが、ANA特典航空券は変更は無料、キャンセルも3000マイル引かれるだけです。国内線特典のキャンセル料も3000マイルでしたが、国際線の特典航空券はそれ自体30000マイルだろうが100000マイルだろうが、たったの3000マイルでキャンセルできてしまいます。発券時に徴収された燃油サーチャージや諸税等も帰ってきますから超ローリスクです。
ただ、当たり前ですが変更先の便も空席があることが条件です。また発着地(羽田/成田等同一都市別空港なら可)やクラス、航空会社の変更もできません。あくまで搭乗日と便だけです。変更でシーズンが異なる場合差額のマイルを徴収/払い戻しされる等この辺は公平にできています。
6.上海や香港は関空経由への変更もOK
あまり目立たないですがANAは関西国際空港から北京、上海、杭州、青島、大連、香港、中部国際空港から上海、香港に就航しています。東京(羽田/成田)からでも関空や中部を経由しての発券もできますし、変更もできます。
国際線部分は全てANA運航である必要があり、中国国際航空等を1区間でも使うとスターアライアンス特典航空券となり必要マイル数等の規定が変わります。但し国内線部分はスターフライヤー等他社運航便も利用できます。
7.往復別クラスという手も
これを選べるのかこれしか選べないのか、空席状況によって変わるわけですが往路ビジネス、復路エコノミーという別クラス発券もできます。この場合両者の合計を2で割ったマイル数が必要です。
一般に有償の航空券ではデルタ航空等少数の例外を除き、このような発券方法はほぼ上位クラスと変わらない運賃になることが多いのですが、片道でビジネスクラスを経験し、もう片道をエコノミーでマイル消費を抑えるということも可能です。
繰り返しますが空席状況によってクラス混在が選べる場合もあるし、選べない場合もあるし、それしか選べないこともあります。なので特典予約にはビジネス往復分のマイル残高があったほうがいいです。足りなければ発券できないので。
後日談ですが実際に取ってしまいました。
2件のフィードバック
[…] 国際線特典航空券はこちらの記事に。 […]
[…] 国際線特典航空券の記事を書いていたら実際にやってみたくなって、勢いで特典航空券を押さえてしまったという話です。まぁ条件付とは言え変更やキャンセルもできるので、本当に行くかどうか迷えるというのも魅力なのかもしれません。何より検索段階からもう楽しいんですよ。 […]