アメリカンエキスプレス・スカイトラベラーカードを5年間使ってわかった16のこと
少し前に、随分と連れ添ったクレジットカードを解約してしまいました。でも使っていて本当によかったです。旅行が好きな方にはぜひおすすめしたい神カードです。
公式参照:アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード
- 100円で1ポイントと高還元&無期限
- 対象航空会社では100円で3ポイント
- 毎年1000ポイント更新ボーナス
- 指定航空会社で1000ポイント=1000マイルに
- 最大1ポイント=1円で後払いも
- 国内空港カードラウンジ無料
- 貴重な航空便遅延/手荷物補償
- 海外旅行傷害保険もそこそこ
- 帰国時手荷物宅配無料
- 会員向けオンライン旅行予約
- Expediaホテルいつでも8%オフ
- ×電子決済には基本弱い
- ×海外での現地決済も弱い
- ×年会費11000円
- ×ANAマイル交換に5500円
- それでもANAマイラーや修行におすすめ
1.100円で1ポイントと高還元&無期限
100円決済ごとに1ポイントもらえるまずまずの還元率です。しかも請求月ごとではなく決済ごとなので支払って数日後にはもうポイントが付いています。これって毎日楽しくなります。
数少ない例外ですが電気/ガス/水道料金は200円決済ごとに1ポイントと半減します。但しYAHOO!公金払いに対応した自治体であれば100円で1ポイント貰えます。また後にも少し触れますが楽天Edy、モバイルsuica、SMART ICOCAへのチャージはポイント付与対象外です。
このポイントとはアメリカンエキスプレスインターナショナル社独自のメンバーシップリワードポイントというもので、有効期限が無いのが特徴です。沢山貯まるまで延々持ち続けることも出来ます。
2.対象航空会社では100円で3ポイント
対象航空会社27社と対象旅行代理店2社での利用は100円で3ポイントにまで増えます。登場時はこの中から利用者が1年に1回指定した1社のみが3倍だったのですが1年ほどで会員ならどれでも3倍になりました。JALカードやANAカードでも一部このくらい貰えるカードはあるのですが勿論自社ウェブサイトのみ。こちらは目的地や値段にあわせて航空会社を選ぶことも自由です。
これがその指定航空会社。アメリカ、アジア、ヨーロッパなど世界中の航空会社をカバーしており、国内線ではJAL、ANAのほかにスターフライヤーが対象になり、マイル会員であるかに関係なく国内だけでも3社の航空会社を選べるようになったのは大きいです。国内線の場合距離が短くフライトマイルが少ないのに運賃が高いので特に繁忙期はおすすめです。
自分が今まで使ったことがあるのは
の6社。航空会社ウェブサイトから航空券を直接、日本円建てで購入という条件に注意です。航空券そのものの支払いはわかりやすいのですがそれ以外の支払いでは3倍になるケースとならないケースがあるようです。
- 機内販売(ANA国内線)→3倍
- 空港でのアップグレード(ANA国内線)→3倍
- 航空券+宿泊の旅行商品(ANA旅作)→×
- 特典航空券の諸税支払い(ANA、BA)→3倍
- スカンジナビアン航空欧州内路線航空券→日本円建てで出来たので3倍
- BAのマイル購入→米ドル建てなので×
といった感じです。
3.毎年1000ポイント更新ボーナス
新規入会時だけでなく毎年更新ボーナスが貰えます。航空会社のカード以外では珍しいです。
4.指定航空会社で1000ポイント=1000マイルに
ポイントは実に15ものマイルプログラムに移行できます。これはJALマイレージバンクが無かったり、タイ国際航空ロイヤルオーキッドプラスが入っていたり、支払い時の3倍対象航空会社と若干違うところがあります。
5.最大1ポイント=1円で後払いも
ポイントフリーダムという制度を使うと航空運賃支払に対して1ポイント=1円、宿泊費などその他旅行商品支払に対して1ポイント=0.8円、それ以外の支払には1ポイント=0.3円のレートで支払に充てることができます。
面白いのはポイント交換手続きは不要で、既にカード決済を終えてポイントが付与されてからそのポイントを支払いに当てることができます。
6.国内空港カードラウンジ無料
いわゆるゴールドカードではありませんが一般にゴールドカード会員向けの空港ラウンジを利用できます。これは当然カードによる支払の有無は関係なく、その空港は国内28空港に加え海外2空港(ソウル仁川、ハワイホノルル)の合計30空港です。
またカード会員本人のほか同伴者1名まで無料というのも珍しいです。
7.貴重な航空便遅延/手荷物補償
国際線で利用付帯という条件はありますが、航空便の遅延で宿泊を余儀なくされた場合や受託手荷物の破損/紛失補償があります。カード付帯に限らず海外旅行保険全体の中でも珍しい部類だと思います。
8.海外旅行傷害保険もそこそこ
カード付帯の旅行保険というと本人は受け取れない死亡保険が注目されがちですが、現実的に世話になりそうな傷害治療保険や携行品被害、賠償責任保険もそこそこの金額付帯しています。これでも足りないと思う人は会員専用ページから損保ジャパン日本興亜のオンライン契約で追加することもできます。
9.帰国時手荷物宅配無料
これもこのカードのうれしい特典。国際線で帰国時の成田空港、中部空港、関西空港に限られるのですが、スーツケース1個を自宅まで無料で配送してくれます。即日ではありませんが距離に制限はないようです。
10.会員向けオンライン旅行予約
会員向け旅行予約であるアメリカン・エキスプレス・トラベル・オンラインを利用することができて、ここでの支払いは100円につき2ポイント付与されます。内容はエクスペディア並に充実しています。海外旅行向けですが宿泊は国内でもあるようです。
11.Expediaホテルいつでも8%オフ
これはアメリカンエキスプレス会員全体のサービスなのですがExpediaでの国内・海外ホテルが8%割引されるクーポンコードが貰えます。金額や時期の制限もありません。一方航空券+ホテルだと15万以上で3750円割引と結構渋いですが一応クーポンコードが付きます。
12.×電子決済には基本弱い
いわゆる非接触決済、要はかざすだけで支払ができるシステムですが、国内では三井住友カード/NTTドコモ連合のiDがダントツ。アメリカンエキプレスはJCB率いるQUICPayを採用していますがカードに埋め込まれているわけではなく、FeliCa対応の携帯電話にインストールするしかありません。ApplePayにも比較的早期に対応しましたがカードだけでなく対応する携帯機器=iPhoneが必要という点でイマイチです。
13.×海外での現地決済も弱い
保険等付帯サービスが充実していることから「アメリカンエキスプレスは海外に強い」といわれていますが、実際にお店での買い物は多くの国・店舗でVISA/Mastercardの二強で、それには一歩及びません。2016年頃までICチップが付いていなかったこともあり欧州ではスーパーマーケットや自動券売機を中心に弱いです。またアジアでもLCCを中心にAMEX決済に対応していない航空会社もあります。
一方オンライン決済で二段階認証を行うSafeKeyは日本のネット通販ではあまり見かけませんが、海外の航空会社で国際線航空券を買う場合高い確率で採用されており比較的安全性は高いと思われます。
14.×年会費11000円
高い還元率と充実した付帯サービスの反面、入会初年度から毎年高額な年会費を徴収されるのは最大のデメリットです。海外旅行保険やラウンジアクセスのあるカードとしては標準的な年会費ですし、空港手荷物宅配や航空便遅延補償まであるカードとしてはむしろ安いくらいです。
これらの付帯サービスを毎年使った上で決済でもメインカードとして使い続けるなら十分元は取れるでしょうが、サブカードとして1回1000円のラウンジや1回2000円の空港宅配を無料にしたいだけのために持ち続けるのははっきり行って勿体無いです。
ゆえに自分はメインをANAカードに絞ってこれを退会することになりました。
15.×ANAマイル交換に5500円
カード決済で貰えるメンバーシップリワードポイントは1000ポイント単位でマイルに交換できるのですが、ANAマイルだけは別途ポイント移行ANAコースに入会する必要がありこれが年間5500円掛かります。退会を申し出ない限り毎年更新されます。なおかつ1年間に交換できる上限が80000マイルまでと決められており、交換マイル数が少なければ損だし、多すぎても交換しきれないという諸刃の剣です。
プレゼントなのに貰うのにお金が掛かるって釈然としません。
16.それでもANAマイラーや修行におすすめ
ただ国際線でANAマイルを貯めている人にとってはANAカード以上のメリットも見られます。同じスターアライアンスに加盟するアシアナ航空、エバー航空、オーストリア航空、シンガポール航空、スイス航空、スカンジナビア航空、ルフトハンザドイツ航空の8社がポイント3倍対象です。特にプレミアムエコノミーやビジネスクラスだとフライトマイルも沢山貯まるし、金額も高額なのでポイントも沢山貰えます。プラチナ会員やダイヤモンド会員を目指す修行にも向いています。
ちなみにオーストリア航空は2017年冬以降日本線を休止し季節運航としており、日本語ページも休止前に比べ制限されていますが、日本からヨーロッパまでの航空券検索ではグループ会社のルフトハンザやスイス航空の運航便を日本円建てで購入できます。
またスターアライアンスには加盟していなくてもエティハド航空、ガルーダインドネシア航空、フィリピン航空は日本発着など一部路線がANAマイレージクラブと提携しているので検討する価値もあります。
また飛行機での旅行が多いけれども特定のマイルプログラムに絞って航空会社を利用しているわけではない、という人にもおすすめできます。特に韓国、台湾、香港は大手キャリアが皆3倍対象で近距離ゆえフライトマイルはどうせ雀の涙と割り切るのも手です。ヨーロッパも日本路線を持つ航空会社は成田のみor毎日運航していない所も含め網羅しているので行きたい日程や場所で航空会社を選ぶという使い方もできます。