オープンジョーにストップオーバーって知ってる?国際線航空券は往復だけじゃないから面白い!
海外旅行経験者でも知らない人は結構いるのですが、国際線航空券は行って帰ってくるだけの往復以外にもさまざまな発券方法があります。場合によっては単純往復と大して変わらない値段で目的地を追加できることもあり、一度の旅行を2倍も3倍もおいしくすることができます。しかも比較的簡単に探せます。
1.オープンジョー
ANAウェブサイトより抜粋の図。オープンジョーとは蛇の顎が左右独立して自分より大きなものを飲み込める仕組みのことが語源。上記のように2カ国の往復なのですが出発地と到着地(あるいはその両方)が異なる都市になる発券方法です。一般に1カ国が対象ですがヨーロッパでは往路ロンドン行き、復路パリ発といった発券もできます。
この場合航空券に含まれていない区間は別途車なり列車なりあるいは別の航空券なりが必要です。
2.ストップオーバー/周遊/途中降機
JALウェブサイトより抜粋の図。航空会社によって呼び名は異なり、JALでは上記オープンジョー含めて自由旅程と呼んでいます。オープンジョーと違い出発地に戻るまで全旅程が航空券に含まれています。
ただ注意したいのが全ての区間に就航している航空会社は稀です。上図の場合フランクフルト→パリは提携しているブリティッシュエアウェイズのロンドン乗り継ぎになるか、未提携のルフトハンザ等を使うことになります。未提携航空会社の場合移動こそできますがマイルの付与などJALのサービスは無くなります。
上図のように1カ国に限らずヨーロッパや東南アジアなど近隣諸国含めた周遊ができる事が多いです。また航空会社により周遊都市数に制限があったり有料オプションであることもあります。
3.乗り継ぎとの違い
注意したいのが乗り継ぎとの違いです。乗り継ぎとは経由地の滞在が24時間以内(日付を跨ぐことはある)であり、出発チェックインの段階で乗継便の搭乗券も発券されます。ストップオーバーの場合は国際線航空券全体の有効期限かつパスポート等渡航書類が有効な範囲であれば何日でも居られます。
またストップオーバーは上図の「区間1」「区間2」「区間3」という具合に出発日と経由地を指定できるのに対し、乗り継ぎは基本選べません。例えば東京~パリを指定しても直行便が出るかヘルシンキ乗継が出るか、どっちが安いか選べるのか、というのは空席状況によってきます。
4.航空会社の戦略上重要なルール
ここ1年ほどでハワイアン航空や日本航空がコナ(ハワイ島)線を開設したニュースが分かりやすいと思います。ハワイといえばオアフ島のホノルルが国際線の拠点だったのですが、ホノルル以外にも観光資源は多いわけです。ゆえにハワイ島にも直行便があればオアフ島とまとめて周遊するプランも立てやすくなります。
ちなみにハワイアン航空はANAと、日本国内線およびハワイ諸島内路線で共同運航をしていますが、2018年にはANAに代わりJALが共同運航相手になります。これでJALの航空券で日本→ハワイ島→オアフ島→日本という周遊ルートも組めるようになります。
LCCでは共同運航は一部除き取っていませんが、戦略はほぼ同様。韓国や台湾の航空会社が関西や成田、あるいはソウルと釜山、台北と高雄と複数の都市に乗り入れる傾向にあり地方への観光需要誘致に貢献しているのも事実です。関空から入国し大阪、京都そして東京を巡って成田から出国というゴールデンルートは日本人にも広く知られるようになりましたね。
5.大半の航空会社/旅行代理店が1予約でOK
このような複雑なルートをいったいどうやって発券するのかという疑問もわいてくるかと思いますが、ほとんどの航空会社のウェブサイトで購入できます。
ANAの場合複数都市という名称で日付と区間を入力することで検索できます。東京は羽田、成田、両方の3種が選べることが多いです。他の空港が複数ある都市も同様です。大手航空会社の場合現地の航空会社とも提携して周遊ルートを組めることが多いです。
バニラエアの場合も複数都市を選択するとこの画面に飛びます。バニラエア運航便に限りますが成田・台北経由での往復や北海道(新千歳/函館)と台湾(台北/高雄)ではオープンジョー発券ができます。
同じルートをタイガーエア台湾で検索。同社ではマルチシティと呼んでいます。
一方航空会社だけでなくJTBやHISといった旅行代理店でも周遊ルートを検索できます。代理店特有の機能として直行便指定もしくは乗継回数の指定で絞り込むこともできます。ただあまりに物件が多すぎるので、どんな航空会社がどんな時間帯で飛んでいるのか調べる程度にしています。
6.現地国内線の別予約は要注意
周遊ルートは発着地全てに乗り入れている(共同運航含む)航空会社に限られてしまいます。上記の台北・高雄周遊の場合台湾内の列車やバスを手配する必要があります。そこで日本発着の航空券と現地移動の航空券等を「別切り」というやや上級の方法を取るケースも出てきます。実際に自分がやった例がこれ。
- 3/10 羽田→ロンドン(ANA特典航空券往路)
- 3/16 ロンドン→コペンハーゲン(スカンジナビア航空片道)
- 3/17 コペンハーゲン→ブリュッセル(スカンジナビア航空片道)
- 3/18 ブリュッセル南駅→シャルルドゴール第2TGV駅(TGV列車片道)
- 3/18 パリ→羽田(ANA特典航空券復路)
実に4種の航空券/乗車券を別切り発券しています。別々に予約するというのは手間が掛かるだけでなく、乗継時にまとめてチェックインできない(航空会社や空港の関係でできる場合もある)、遅延で乗り継げなくなるリスクも抱えますので自分は一泊しています。
さらに欧州域内線やアメリカ国内線の場合受託手荷物や機内持ち込み手荷物の規制が厳しくなります。同じ便でも国際線運賃の一部として予約した場合は無料許容量が大きく、国内線単独で格安チケットだと受託手荷物どころか上の収納棚さえ別料金という、長期旅行には不向きなチケットもあります。
さすがにヨーロッパ周遊は極端なケースではありますが、初めは2都市周遊で往路到着地と復路出発地ともに宿泊するのではればローリスクで単純往復よりもずっと楽しめると思います。
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