地方行くとモバイルSuicaが最強でカード式がほぼ無力なたった1つの理由。
首都圏から新幹線や飛行機を利用して関西や九州、北海道あたりに行くと、現地でもSuicaやPASMO等の交通系ICカードが利用できることが多いです。
2004年8月のJR東日本のSuicaとJR西日本のICOCA相互乗り入れに始まり、2013年3月には交通系ICカード全国相互利用サービスで全国10の主要交通系ICカードが各地に利用エリアを拡大しています。バスや地下鉄事業者への片道乗り入れを含め現在も拡大傾向にあり、今や近距離の鉄道やバス移動は利用者数ベースで考えれば国内9割以上のニーズを満たしているとも言われています。
- モバイルSuicaはどこでも端末操作でチャージできる。これ最強。
- ICカード運賃で10円未満端数割引があるのは首都圏だけ
- オートチャージができるのはSuica/PASMOエリアだけ
- 券売機や精算機でチャージするなら現金購入と変わらない
- Suica/PASMO対応でも現地IC限定の割引がある地域も
1.モバイルSuicaはどこでも端末操作でチャージできる。これ最強。
モバイルSuicaは、最近発行されたモバイルPASMO含めカード式にはない大きなメリットがあります。
- その場で残額が確認できる
- クレジットやポイント等から端末操作でチャージできる
不慣れな土地に行くとこのメリットは特に顕著です。最近はICカード自体が普及していてJR東日本のように券売機よりもチャージ専用機が多く用意されていたり、JR西日本のように改札内やホーム上にもチャージ機が用意されていたり、JR境線米子空港駅(車載改札機を採用)のようにローカル線ではチャージができない駅があったり、その扱いは様々です。
常に高額な残高を用意していない限りカード式に比べると、どこでもチャージできるモバイルSuicaはかなり有利です。
逆の言い方をすれば首都圏以外に住んでいてもモバイルSuicaはメリットがあると思います。
参照: モバイルSuica使うならビックカメラSuicaカード。関西住まいでも鉄オタじゃなくてもメリットしかない
2.ICカード運賃で10円未満端数割引があるのは首都圏だけ
2014年の消費税増税絡みでの運賃改定で首都圏の鉄道・バス各社はICカード乗車の場合に限り1円単位での運賃設定をするようになりました。しかしこの動きは首都圏だけに限られているのはあまり知られていません。
例えばJR西日本ではきっぷを購入してもICOCAで改札を通過しても運賃は同一です。またJR東日本でも仙台地区と新潟地区はきっぷ運賃と同額であり、また1000円を超える区間ではIC運賃の方が高いケースも散見されます。
3.オートチャージができるのはSuica/PASMOエリアだけ
ビューカードや東急カード、東京メトロToMeCARDのようにSuicaやPASMOを内蔵したカードで一定額を下回ると改札でオートチャージされるカードもあります。
しかしオートチャージが可能な駅はSuica/PASMOエリアに限定されており、新大阪駅や新千歳空港駅では残高不足でもオートチャージされません。またVIEWアルッテや東急のクイックチャージのように指定金額をクレジットチャージする機能もありません。逆にJR西日本のスマートICOCAのチャージ機も首都圏にはありません。
クレジットチャージでの端末は相互乗り入れ先でも整備されていないと考えてよいでしょう。券売機で現金チャージするかきっぷを購入するかになります。
4.券売機や精算機でチャージするなら現金購入と変わらない
十分な残高を把握していて利用が少額とわかっているならカード式SuicaやPASMOでも問題ありません。日頃1000円以上入れていて新大阪~なんば、福岡空港~博多くらいの移動であれば簡単でしょう。
ただ成田空港や新千歳空港、関西空港のように市街地まで出るのに1000円以上かかる場合は要注意です。いったんチャージするかあとで清算するかですが、それなら最初からきっぷを購入するのと変わらないと言えます。IC運賃でもきっぷ運賃でも変わらない訳ですし。
5.Suica/PASMO対応でも現地IC限定の割引がある地域も
SuicaやPASMO等全国利用ICにも対応しながらも、独自発行のICカード限定で運賃割引制度を用意しているケースもあります。
広島地区の鉄道・バス事業者が加盟するPASPYは2018年から全国交通IC片道乗り入れでSuicaやPASMO等の利用も可能になりましたが、PASPY独自の最大10%運賃割引やバス・路面電車の乗継時の通し計算は対象外になっています。
香川県の高松琴平電気鉄道が発行するIruCaもSuicaやPASMO等全国交通IC片道乗り入れを2018年に電車区間で、2019年にバスでも導入しましたが鉄道で5%、バスで10%の割引運賃はIruCa限定にされています。また自販機や売店は地元ICカードのみに限られSuicaやPASMO等は共通化されていないケースもあります。
いずれも残額1500円+デポジット500円=2000円で売られていることが多いので、利用回数が多く1500円を超える予定であれば現地ICカードを買う価値も大きいと思います。