JR北海道特急は「えきねっと」割引が超充実。40%以上OFFも当たり前?但し列車名という初心者キラー
航空各社とは違ってJRでは気軽に使えるネット予約割引が乏しいのが現状です。が、そんな中で販売期間が長く、窓口購入よりもフリーパスよりも安いチケットを用意しているのがJR北海道の特急列車を「えきねっと」で予約する方法です。
- JR東日本のえきねっとが2016年からJR北海道もカバー
- 都内の駅や成田空港駅、新千歳空港駅でも受け取れる
- 札幌~旭川/札幌~帯広は前日でも週末でも40%割引以上
- 経営難で回数券等廃止そしてネット商戦一本化へ
- 道東・道北はPeach/バニラ北海道フリーパスより実用的?
- トクだ値は新千歳空港からでも南千歳始発になるので注意
- 「列車名検索」が初心者にはキツイ。時刻表も必須?
1.JR東日本のえきねっとが2016年からJR北海道もカバー
えきねっとはJR東日本のインターネット予約システムですが、以前は独自のネット予約を行っていたJR北海道の予約・受取も2016年12月から対応しており、現在はJR東日本とJR北海道をまとめた形です。
利用にはメールアドレスとクレジットカードの登録が必要ですが年会費は不要、JRのVIEWカードに限らず多くのクレジットカードが利用できます。
このえきねっとには日時や路線、購入時期に応じて乗車券+特急券が10~40%割引になる「トクだ値(当日午前1:40まで)」「お先にトクだ値(13日前の午前1:40まで)」が設定されています。特にここ1~2年は首都圏発着の新幹線を中心に期間限定の割引に熱心でした。
参照:新幹線はネット予約→suicaインストールが2020年代のスタンダードに。やっと新幹線が時代に追いつく!
2.都内の駅や成田空港駅、新千歳空港駅でも受け取れる
えきねっとで購入したきっぷは駅の指定席券売機やみどりの窓口で「受取」が必要なのですが、これは必ずしも出発駅である必要はありません。
例えば東京から飛行機で北海道に渡り、途中札幌~帯広で特急列車移動があるとすると、そのきっぷは東京駅でも新小岩駅でも、JR成田空港駅でも新千歳空港駅でも受け取ることができます。
受取には予約時のカードと予約番号が必要ですが、受取場所の事前指定も不要、JR東日本エリアの駅で全きっぷが受け取れます。
3.札幌~旭川/札幌~帯広は前日でも週末でも40%割引以上
えきねっとトクだ値は列車限定、数量限定の商品ではありますが航空券ほど熾烈な争奪戦にはなっていないようです。購入期限も首都圏発着では13日前などが多い(お先にトクだ値)ですがJR北海道の場合当日の1:40まで、実質前日までとかなり緩いです。
また販売休止期間が8月中旬の一部に限られるだけで、閑散期限定と言うわけでもありません。そもそも北海道は7月8月が飛行機もフェリーもレンタカーも最繁忙期なのでかなり太っ腹と言っていいくらいです。
7月の週末札幌→帯広の検索結果。旅行に都合の良さそうなスーパーおおぞら3号はショボイものの、それ以外は40%割引やスーパーとかち号限定の最大55%割引まで。
基本時間帯ではなく列車名ごとに割引が設定されているので、釧路まで行くスーパーおおぞら号より帯広発着のスーパーとかちが安くなっています。
4.経営難で回数券等廃止そしてネット商戦一本化へ
JR北海道は経営不振から近年になって特急往復割引(自由席用Sきっぷ・指定席用Rきっぷ)や回数券を大幅に縮小し、みどりの窓口の削減や営業時間縮小も進んでいます。
これには実質値上げとの批判もあり、往復割引や回数券に替わる形で出てきたのが提携するJR東日本のえきねっとトクだ値と言えます。
とは言え駅に行かなくても列車を予約できるしJR北海道でも指定席券売機は普及が進んでいるので、手間が無く安上がりという利用者にも事業者にも合理的な仕組みと言えそうです。
5.道東・道北はPeach/バニラ北海道フリーパスより実用的?
一方でPeach/バニラエアで新千歳空港に上陸する旅行者向けにフリーパスも用意されています。
複数都市を巡る長期旅行ならかなりのコスパを発揮しますが、1都市のみの滞在やレンタカー・バス等の利用も考えている場合は逆に勿体無くなります。利用が自由席なので着席保障がないのもデメリットです。
他方えきねっとのトクだ値を使った場合の片道は、
- 札幌~旭川(トクだ値45)2630円
- 札幌~釧路(トクだ値40)5610円
- 札幌~網走(トクだ値30)6930円
このように単純往復であればフリーパスを使うより安上がりです。事前予約が必要とは言え、札幌~旭川以外は1日数本なので事前スケジュール確認は必要です。
6.トクだ値は新千歳空港からでも南千歳始発になるので注意
但しえきねっとで割引を受けられる「トクだ値」の場合、運賃と特急料金込みで発券されるため普通列車の乗り継ぎを伴う発券はできません。
したがって新千歳空港から帯広に向かう場合、えきねっとでは隣の「南千歳~帯広」で予約・発券し、「新千歳空港~南千歳」は別途きっぷを購入もしくはsuica等を使う必要があります。
参照:【suica】全国交通系ICカードがアクセスに使える全国の空港まとめ【ICOCA】
7.「列車名検索」が初心者にはキツイ。時刻表も必須?
えきねっと自体が目的地ではなく路線名や列車名で検索する構造であることから、鉄道に詳しくない人には使いにくいのも事実。
こうして見ると特急列車の名前と運転区間を知らないと分かりにくいです。多くの航空会社のように目的地を入力するだけで検索できれば良いのですが、北海道の在来線>列車名>乗降駅選択という手順を踏む必要があります。結局時刻表や路線図を見ることが前提なのは少し残念です。
とは言え予約がウェブサイトで旅行前にできることや割引率が高いことを考えると利用価値が大きいのも確かです。