シトロエンC4(初代)海外進出のきっかけをくれた1台。
自分のもうひとつの趣味が車、というか元々はこっちがメインだったんだけど、その中でも自分の世界を大きく広げてくれた1台を何としても紹介しておきたいなと思います。車ってとにかく買うにも維持するにもお金が掛かるのですが、この車と過ごした時間はプライスレスでした。
1.2005年東京モーターショー
ちょうど免許を取り始めた頃、ふと雑誌で気になった車の1台がシトロエンC4。2005年に日本で発売され直後の東京モーターショーでも披露されていました。WRCでもプジョー307やスバルインプレッサの佳きライバルでしたね。ただ当時は246万円~という価格、都内ではやや大きすぎるサイズ、少ないディーラーネットワーク、低い信頼性という噂(?)から当然のように購入候補にはならなかったのです。
2.2011年購入
しかし時は過ぎ、名古屋に転勤で車通勤が必要に。だったらこれはチャンスと言うことで探してみると、比較的新しいものが100万円ちょいの結構お値打ちで手に入る。同時期に新型へモデルチェンジしたのですがこれがデザイン的にというか悪い意味で普通だったので、旧型となったC4は正に買い時でした。
ほぼ唯一のこだわりは特徴的なグラスルーフで、スポーツカーのようなスタイリングにミニバンの視界と着座感、そして上方が明るくて開放的というフランス車の方程式そのままです。このグラスルーフ、同時期に色々なメーカーがこぞってやっていましたが、今もラインナップに入れ続けているのはプジョーとシトロエンくらいです。
ベースグレードでもステアリング内にオーディオやクルーズコントロール等のボタンがあって、ここがハンドルを回しても回らないという不思議な構造。旋回時でもエアバッグが適切に展開するためだとか言われていますが、乗ればいたって自然です。透過光センターメーターも斬新ですが慣れます。水温計や燃料系もドット式のデジタル標識で、キロ表示だけでなくマイル表示も出来ます。
ハザードランプのスイッチやドアロックスイッチ、そして上のメーター周りも含めて○に横長の四角を組み合わせたアイコンが象徴的です。それでいて全体はシンプルです。このデザインのこだわりもあって2006年には第1回世界カーデザインオブザイヤーを受賞しました。
多くのドライバーが後付けしながら、最初から標準装備なのは珍しいと思うのがパルファム。芳香剤と言うのが安っぽく感じるほどいい仕上がりです。これもC4やプジョー207くらいで、カートリッジがディーラーやネット通販で売られていました。香りもバニラ、ジャスミン、バンブーなど6種類くらいありました。このカートリッジの頭の形状も○と四角の組み合わせです。
3.2012年本場パリへ
この車、買っただけで終わらなかった・・・翌年関西へ転勤が決まり同時に長期休暇を取得。今しか絶対に叶わないことをしようとふと企みまさかのフランス渡航。高校時代のアメリカ以来二度目、勿論自分での手配だって初めて。
ということで本社ショールームC42も見てきました。シャンゼリゼ通り42番地という住所がそのまま名前です。ちなみにこの通りにはプジョー、ルノー、トヨタ、メルセデスベンツがショールームを持つ自動車好きにも楽しめるポイントです。
勿論街中にもいっぱい走っていていたるところで目にしました。
なんとも絵になります。
セーヌ川南岸にはシトロエン創業の跡地にアンドレ=シトロエン通り、アンドレ=シトロエン公園があります。1919年に創業しヘンリー=フォードに次いで自動車の商業化、民主化に貢献したと言われています。
これ以降今まで目もくれなかった海外へチャンスを見つけては毎年のように足繁く渡るようになりました。覚醒してしまいました。
いやはや、たった1台の車が世界をつなぐとはねぇ・・・
4.10年15万km走った
勿論国内でも通勤から遊び、帰省まで走り回りました。FFのATだけど峠とか案外気持ちよく走ります。速くはないですけどね。グミのようにやわらかくもコシガあがある足回りは日本車やドイツ車では味わえない感触です。
石川県の千里浜なぎさドライブウェイ。日本で唯一車で走れる海岸線です。砂が細かく湿度があるのでスタックしにくいのだそうな。とにかく燃料が切れるまで走り続けたくなってしまいます。
真冬の群馬県赤城山。雪道こそ路面の感触がわかりやすくて向いてるなと実感しました。特に朝から午前中の雪質の変わりかたは運転しながらでもわかります。
オンボードコンピューターがフランス語、英語など欧州言語のみで日本語には対応していないのですが、不便どころかむしろ良い勉強になりますw
フランスでは助手席にチャイルドシートやジュニアシートを着けてもいいことになっています(ドイツでは違法)。グローブボックス内に助手席エアバッグを解除するための鍵穴が付いています。ゆえにここに車検証などを入れることは出来ません。不便と言われますが運転席ドアポケットに入れているので困らなかったです。
登録から10年15万キロ、購入から6年10万キロ走りついに退役。後継車に交代です。
輸入車に乗れば毎日が海外旅行になるとはよく言ったものですが事実です。この車が自分の世界を一気に広げてくれました。
1件の返信
[…] 会社が自動車通勤の部署が多かったので前車シトロエンからの乗り換えのチャンスは耽々と狙っていました。大きい必要は無くてむしろ低燃費、特にアイドルストップがあると便利で、現行モデルが中古市場で100~150万程度においしくなっているものという条件でアウディA1やプジョー208と共に候補に入れていました。実はアウディもBMWも過去に乗っていたことがあるので、初めて同じメーカーに二度乗ることになるのか、二度目のフランス車になるのか、どっちに転んでも面白い結末でした。 […]