旅行会社を使う人はマイラーに向かないという事実。重点を置くのは航空会社か支払先か計画か…
自分がマイル何ぞに手を出すようになったのはわずか数年前、それまで完全に旅はほぼ陸派で飛行機を使ってもマイルは興味なしという状態でした。周囲の話でもマイルをじゃんじゃん貯めている人から、旅行はするのに全く貯まらない人まで実にさまざまです。
彼らの間には、あるいは昔と今の自分の間にはどのような差があるのかを考えてみた結果、旅行はするのに貯まらない人=マイラーに向かない「負けパターン」がいくつかあると気付きました。
- 飛行機に乗らない人はマイラーに向かない
- パッケージツアーを使う人はマイラーに向かない
- マイルは金額ではなく距離で決まる
- 安さだけで選ぶ人はマイラーに向かない
- 繁忙期に旅行する人はマイラーに向かない
- 一人旅ができない人はマイラーに向かない
- マイルじゃなくてもいいじゃない
1.飛行機に乗らない人はマイラーに向かない
マイルの基本は飛行機に乗って貯めることなのでこの通りです。とは言え陸マイラーであっても最終的にマイルはフライトに使うつもりだろうから、程度の差こそあれマイラー=飛行機を使う人と定まるのは自明の理と言えそうです。
自分はそれまで飛行機利用は年間1回あるかないかでしたが2011年ANAマイレージクラブに入会。ただこの年も1回しか乗っていません。
2012年にエミレーツ航空でヨーロッパに行ったときもマイルなんて興味なし。これ今考えたら勿体無い・・・
2013年にタイ国際航空に乗ってようやく覚醒しました(汗)。バンコク経由のヨーロッパ、当時はANAマイルが区間100%貯まったので労せずして2万マイルほど稼げました。
以降ズブズブとはまっていくわけですが、基本的には乗らないと、そして登録しないと当然貯まることもないし使うこともできないわけです。
勿論利用頻度が少なければ特典航空券での無料旅行は困難である等不利ではありますが、利用頻度が低くてもメリットが全く無いわけではないとも思います。実際自分も年間利用回数は10回以下のことが多いですがほぼ毎年どこかしらに特典航空券で出かけています。
参照:ANAマイルが飛行機のライトユーザーにもおすすめな7つの理由
2.パッケージツアーを使う人はマイラーに向かない
行く場所も宿泊先もあらかじめ決まっているパッケージツアーもマイラーには向かないと言えます。利用する航空会社は候補がいくつか説明されることはあっても最終的には旅行会社が決めるからです。
勿論たまたま乗ることになった航空会社でマイルの口座を新規開設してもいいけれど、当然ながら同じ航空会社に継続して乗り続けないとマイルは貯まらないです。結局航空会社を選ぶという段階がおのずと生まれてきます。
またパッケージツアー商品で購入前から予約クラスが分かるものは珍しく、どれくらいマイルが積算されるか不明瞭(0%もあり得る。詳細下で説明)なのもデメリットです。この辺はJALパック/ANAハローツアーといった航空会社独自の商品が強いです。
そして仮にマイルが貯まったとしても、その出口とも言うべき特典航空券は航空会社のウェブサイトでしか申請できません。ツアー慣れしていると現地ホテルや交通手段の手配に思いのほか苦労するでしょう。
3.マイルは金額ではなく距離で決まる
ANAで東京~ホノルルをエコノミー割引運賃(V/W/S/T)で飛んだ場合のシミュレーション。同じエコノミー運賃でもさまざまな予約クラスがあり変更や返金の自由度の高いものは高額でマイル付与率が高い傾向にあり(100%とか)、逆に割引率が高く時期が限られていて変更や返金の自由度が無いものはマイル付与率も低い傾向にあります(30%とか対象外も)。
ちなみに上図右下のプレミアムステイタスまたは利用カード別積算基準というのは、ANAカードの有無や前年の搭乗実績によってマイルが割増される人がいるというものです。
とにかくフライトマイルは支払金額ではなく飛行距離と予約クラスで決まるということを念頭に入れておく必要があります。ANAやJALではどれくらいマイルがもらえるかシミュレーションするページがあります。
4.安さだけで選ぶ人はマイラーに向かない
誤解なきよう一言付けておくと価格が安いことは魅力の一つではあるけれどそれが全てではないということです。
特に国際線の場合顕著なのですが、例えば日頃羽田発着の国内線でANAマイルを貯めている人がたまたま香港に行くことになった場合どうやって航空券を選ぶか?ということです。時期により香港航空が安いことが多いのですがANAが安いときもあります。
スカイスキャナーもそうですし同サイトで良くヒットするDeNAトラベルやHIS傘下のサプライス!といったOTA(オンライントラベルエージェンシー)では、さまざまな航空券を価格の安い順、あるいは出発時間別といった細かな比較や絞込みができるので、検索もしやすく価格や時間も比較できます。
そしてこの航空会社の絞込みに「アライアンス」というのがあって、簡単に言えば同じアライアンスの航空会社であれば原則マイルが貯まるわけです。例えばスターアライアンスに加盟するANAでは図のようにアシアナ航空、エチオピア航空、エバー航空等もまとめて検索されます。マイラーには便利な機能です。
ただ原則には例外もあってANAの場合スターアライアンスに加盟しないフィリピン航空やベトナム航空でも日本路線を中心にマイルが加算できます。一方タイ国際航空やエバー航空は一部の予約クラスでANAマイルが積算できないものもあります。
多くの場合航空会社や航空券サイトではマイルの貯まるクラスも、VやW等アルファベット1文字で記されています。但しまれに予約クラスの表示のない場合もあります。
このように探していくとマイルが貯まる航空券は比較的簡単に探せます。勿論比較した上で、マイルが貯まらないけれど圧倒的に安い/時間の良い便を選ぶのもいいし、そこで新しくマイルのアカウントを作るのも良いと思います。ただこれを計算しないで適当にフライトを選んでしまうのももったいないです。
5.繁忙期に旅行する人はマイラーに向かない
多くの路線で航空運賃は需要によって変動することは知られていますが、繁忙期だと運賃が高い分獲得マイルが多いとも限りません。
例えば大阪~那覇の運賃ですが、実はこの3便3種の運賃はどれでも獲得マイル数は同じです。週末なので朝に需要が集中し午後は需要が少ないのです。支払額が2倍になってもマイルは2倍にはなりません。これは国内線だと比較的ありがちで、特にGWやお盆休み、年末年始だと顕著です。
一方マイルを使った特典航空券も羽田発は午後以降、羽田着は夕方以前の便しか空いていないというケースもよくあります。ましてや大型連休だと絶望的です。
ゆえにが混雑する日や時間帯を避けて旅行できないか計画することも大切です。これはLCCは勿論マイルをスカイコインに換えて航空券支払に充てる場合にも共通して言えることです。
6.一人旅ができない人はマイラーに向かない
マイルは搭乗者ごとに貯まる仕組みなので家族等グループの人数分をまとめて一気に貯めるということは原則できません。一応ANAの場合ANAカード会員であれば必要な手続きを経た上で家族分を合算することは可能です(ANAカードファミリーマイル)。また海外の航空会社では手数料を払えばマイルを譲渡できるところもあるようです。
一方マイルを特典航空券に変える場合は人数分のマイルが必要になるので、ただでさえ席数の限られた特典は一層狭き門になります。これでご褒美というにはあまりに過酷です。
勿論必要な人数分取れる場合もありますが、単独で旅行することが想定できない人にマイルで特典航空券という選択肢は向いていません。
7.マイルじゃなくてもいいじゃない
とはいえ現実には旅行は盆正月しかできない、家族と一緒でないと考えられないという人もいるでしょう。そういう場合は別のプログラムに力を入れればいいだけです。
例えば航空会社の場合バニラエアポイントやmy AIRDOのようにフライト距離ではなく支払金額に応じて貯まるポイントプログラムを用意しているところもあります。これなら運賃が高い時期も相応のメリットがあると言えます。
myAIRDOは一定数貯めて特典航空券に交換するシステムですが、バニラエアポイントは100ポイントから運賃支払に充てられるので運賃・オプションで1万円以上の支払があれば次回からもう使える、少頻度利用者にもうれしい仕組みです。
参照:バニラエア ポイントがカード発行も他社提携もしない本当の理由
航空券購入では期待できないのですが宿泊で稼ぐなら楽天トラベルやYahoo!トラベルは数千円単位の割引クーポンを配っていたり結構利用価値はあります。最近は極端なポイント○倍セールは減ったもののYahoo!プレミアム会員なら5倍10倍も健在です。月会費324円の有料会員ですが頻繁に6ヶ月無料キャンペーンをやっています。
楽天スーパーポイントアップは楽天カードや楽天モバイルの契約者に嬉しいサービス。毎月どこかで買い物があれば恩恵があるのでそういう場合楽天トラベルでの利用が懸命だと思います。
この2社のセールやクーポンは宿泊日ではなく予約日が基準なので繁忙期でも使う価値があります。もちろん各ポイントは次回宿泊だけでなく日用品の購入にも使えるので何らかの形で使う機会はマイルよりはるかに多いはずです。